世の中には実業家、事業家など似たような言葉が多々あります。でも、その違いってなんでしょう?
僕は自分のことを起業家だったりマーケターと名乗っていますが、実際どんなことをしている人なんでしょう?僕の仕事内容なども含め、起業家とはどんなものか?を解説していきます。
Contents
起業家とは何か?その言葉の意味とは?
起業家とは?
まず本題の「起業家とは何か?」についてですが、かの有名な経営学者P.F.ドラッガーは起業家を以下のように説明しているようですよ。
ドラッカーは,「アメリカでは,起業家とは小さな事業を始める人のことを 言う15) 」「起業家精神とは,すでに行っていることをより上手に行うことよりも, まったく新しいことに価値,特に経済的な価値を見出すことである16) 。」「起業家 とは,秩序を破壊し解体する者である。シュムペーターが明らかにしたように, 起業家の責務は,「創造的破壊」である 17) 。」そしてイノベーションのための機会 32 14) シュムペーター(塩野谷祐一・中山一郎・東畑精一(訳))『経済発展の理論(上)』岩波文庫 1997年 p245∼247 15) P. F. ドラッカー著『イノベーションと起業家精神(上)』ダイヤモンド社1997年 p30 l8 16) 同上 p38 l8 17) 同上 p38 l11 Kyotogakuen University NII-Electronic Library Service として①予期せぬ成功と失敗を利用する。②ギャップを探す。③ニーズを見つ ける。④産業構造の変化を知る。⑤人口構造の変化に着目する。⑥認識の変化 をとらえる。⑦新しい知識を活用する。以上つの機会を提示し,イノベーシ ョンが生起しやすい機会の順に①〜⑦を掲げたと論じている。
引用:https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20180904081651.pdf?id=ART0010241081
要は世の中に新しい価値をもたらす者こそ、起業家である、とこうドラッガーは語っているわけです。
ただ、「新しい価値をもたらす」というと難しそうに聞こえますよね。
これは要は、「マーケティングを行う」ということです。
マーケティングとは噛み砕いて説明すると、「モノを販売する流れを整える」ことですね。
例えば、世の中には様々なマーケットがあるわけですが、あらゆるマーケットにはニーズがあります。
人々が「もっと吸引力の強い掃除機が欲しいな」と思えばそこにニーズが生まれ、起業する余地が生まれます。その余白を埋めていったり、もしくは自分でその余白を作り上げたりするのがマーケティングです。顧客のニーズに沿った商品を売り込んでいくわけです。
これを行うのが起業家だというわけです。
ニーズにマッチしたものを提供していくわけですから、「価値をもたらして」いますよね。
ただ、ドラッガーは起業家を「新しい価値をもらたす者」だとされていますし、アメリカではそう捉えられることが多いようですが、必ずしも僕は「新しい価値」であることが必要だとは考えていません。マーケティングを行い、しっかりと価値提供できていれば、それはもう起業家を名乗る資格があると思っています。
そもそも辞書的な意味では、「事業を自ら起こす者」だと説明されていることが多く、自ら事業をしていればそれだけで起業家だと説明されています。要は起業家とは人によって定義が曖昧で、「起業家とはこうあるべき」というのは持論に過ぎないわけです。
なぜなら全く品質の同じサービスなどほぼ存在しないため、例えばあなたがビジネスを興したら、それは他の人とは異なる、「新しい価値」を提供していることになります。ですので、自分で自らビジネスをしているのであれば、それだけで起業家だと名乗って問題ないと思いますよ。
企業家とは?
起業家と企業家。では、この違いはどうなのか?
僕はたまに「若い企業家さんだね。」などと言われたりすることもあるのですが、僕はどちらかというと企業家ではなく起業家です。
どう違うのかという話ですが、
・起業家:事業を興している人
・企業家:企業を興している人
という違いがあります。
起業家は別に自らの会社を持っていなくても、自らの商品やサービスを持っていれば、それだけで起業家なのです。しかし、企業家はその名前の通り、企業を持っている、つまり法人化していることが前提となっています。
僕の場合、1人社長で、社員はおらず企業という感じではないので、起業家という言葉がマッチするでしょうね。
実業家とは?
では実業家はどうかというと、農業とか水業とか工業など、生産や経済に関わることを行う者という意味があります。サービス業など、目に見えない商品を提供する場合、ここには含まれないと考えられるケースが多いようですね。
事業家とは?
では事業家は?「事業を企てて、経営する人」のことだと言われます。
さて、そろそろこんがらがってきましたが、起業家はドラッガーの言う通り、「新しい価値」を提供する人だと認識されがちである一方、事業家はどちらかというと、既にある事業を成長させていく人、という意味合いでとられることが多いようです。
経営者とは?
最後に「経営者とは?」ということですが、経営者はその名の通り、経営が仕事です。ですので、事業を経営によって安定、成長させていかなければなりません。自分が事業を興したり、あくせく働くというよりは、社員をどう動かし、今ある資本を次どこに投資していくのか?という視点が重要になってきます。
さて、以上の関係性を僕なりにまとめますと、こんな図になります。
起業家の成功事例
では起業家には例えばどんな人がいるのか?軽く成功事例を見ておきましょう。
堀江貴文
1996年に当時23歳という若さで株式会社オン・ザ・エッジを設立。
東京大学在学中の起業でした。現在はタレント色が強くなっていますが、
ロケット開発など積極的に事業を行っています。
前澤友作
スタートトゥデイの代表取締役社長。
ファッションサイトではおなじみのZOZOTOWNを運営している会社です。
とにかくお金遣いが凄まじく、プライベートジェットなども所有しています。
孫正義
言わずと知れたソフトバンクの会長。またヤフーやアリババなど大手企業の取締役も務めています。
類まれなる経営センスと努力センスの持ち主で、アメリカ留学中に翻訳機を発明し、販売。
短期間のうちに1億円もの軍資金を作り、その資金を使ってソフトバンクの前身である、ユニゾンワールドを設立させました。
起業家の仕事内容と僕の1日
起業家の仕事内容は本当に様々です。
ただし、起業するわけですから、基本的に皆、「販売する商品・サービス、」「マーケティング・リサーチ」「販促」「営業」「アフターフォロー」などなど、モノを売る流れを作っていかなければいけません。
1つの例として、僕の1日を紹介するとこのような感じになっています。
5:00 | 起床 |
6:00 | トレーニングジム |
7:00 | カフェ |
9:00 | 仕事(自動収益システムの強化、サイト、SNS、広告などの集客網の強化) |
17:00 | |
18:00 | 夕食&フリータイム |
22:00 | 就寝 |
主に仕事は、自動収益システム(Libre-System)の強化とサイト、SNS、広告などの集客網の強化ですね。別に放っておいても、200~300万程度であれば収益は出るのですが、より高みを目指したいため、仕事は継続的に行っています。今は起業するというよりも、経営に近い感覚です。資金をいくら広告費にあてるかなど、経営管理をメインに行っていますね。
実は、商品開発やマーケティングの基盤などは、1〜3ヶ月程度あれば構築できてしまいます。
起業家というと、難しそうなことをしているように聞こえるかもしれませんが、実はそれほど複雑なことは何もないのです。僕のやることといえば、単にメールを書いたり、サイトの更新をしたりするだけです。
プログラムの開発はプログラマーにやってもらえばいいですし、最初の0→1を乗り越えてしまえば、かなり経営は楽になります。
起業家への偏見
どうしても難しそうというイメージが付きがちな「起業」ですが、偏見と誤解がいくつかあるので、それを解消していきたいと思います。
数億の売上をあげなければいけない
上で挙げたようなカリスマ社長を例に出すと、数億の売上をあげなければいけないというイメージがついてしまいがちですが、そんなことはありません。自ら簡単なプロダクトを作り、それを世の中に発信していけばその時点で起業家です。学生起業という言葉があるくらいですから、もっと気軽に考えればよいのです。
イノベーション(革新)が必要となる
イノベーションはあれば越したことがないのですが、必須というわけではありません。
従来なかった、新しい技術や考え方を生み出すことが、時代を大きく変えていくのは間違いありませんが、イノベーションがなくても簡単に起業はできます。大きな成功を掴みやすいのはこういったイノベーションを起こすことのできる起業家であることは間違いないのですが、失敗しやすいのもこういった新しい試みをする起業家です。
むしろ、無難に手堅く成功したいのであれば、従来の成功モデルをリサーチ・模倣して、起業していく方が確実ではあります。僕はまさに先輩起業家から、ノウハウを模倣して、現在に至っています。
起業家のなり方と勉強方法
僕は学生の頃から、どこか頭の片隅で、起業したいなと思っていました。もしかしたらそんな学生がこの記事を見ているかもしれませんし、サラリーマンになったものの、ずっと勤め上げたくはないと思っているかもしれません。
そこで、起業家になるにはどうすればよいのか?という話をしていきたいと思います。
初めに。最適な勉強方法は2つだけです。
・人から聞く
・自ら経験する
このどちらかしかありません。
よく起業する前に、公認会計士の資格を取っておこうとか、中小企業診断士の資格を取っておこうとする人がいます。僕もかつてはそうでした。しかし、そういった書籍で学べる知識には限界があり、実際何の役にも立たずに時間を無駄にするケースが非常に多いです。
成功している人は本をよく読むと言いますが、実際、本だけで成功している人は極僅かです。僕の周りの人間で、本だけで上手くいった人は皆無です。本は、補助的に使うのはかなり効果的なのですが、個々人のケースに対応できるほど、網羅性の高い情報源ではありません。
ですから、相談に乗ってくれるメンターや、アドバイスをしてくれるメンターが必要です。
要は起業家が起業で成功するためにはヒントの多い勉強方法を取らなければいけません。
クイズでもヒントが多ければ多いほど、正答率は上がりますよね?書籍だと、ヒントが少ないのです。
独学で勉強し続けるのも重要なのですが、それもヒントがやや少なめです。なので、やはりお金をかけてでも、機会があれば成功者から直接学ぶということをやって下さい。中には全然ヒントにならない人から学んでしまうこともあるでしょうが、それでも1人で立ち止まるより、遥かに効率は良いのです。
経済産業研究所の松田氏も以下のように語っています。
Baron and Markman (2003); Ozgen and Baron(2007)は、起業家が知人から 得る情報が起業家の認知力を高めるという観点から、社会関係資本が起業の成功に影響 することを示した。
社会関係資本とは Adler and Kwon (2009); Nahapiet and Ghoshal (1998)らに従え ば、起業家本人固有の資質とは別に、起業家の友人や知り合いとの交際を通じて得られ る資源、ここでは情報や知識のことである。
引用:https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/13j064.pdf
要は、情報を持っている人と知り合わなければいけないわけです。しかし、通常サラリーマンで優秀な起業家とコネクションがある人は稀であるため、コネクションを持つために投資する必要性が出てくるわけですね。
どれくらいの起業家が成功するのか?
企業生存率は極めて低く、10年後には3割程度の企業が廃業すると言われたりします。これは経済産業省のデータで、そこそこ信憑性も高いものです。
しかし、ここであまり悲観的になる必要はないです。
別に10年も20年も絶対に生き残らなければいけない、というわけではありません。僕も30年後に、全く同じビジネスをしているかと言われればそんなことはないでしょう。しかし、サラリーマンでコツコツと働くよりもよほど美味しいから、起業しているわけです。
リスクがありそうなのに、起業した方がオトクなワケと根拠をお話します。
- 起業するのに資金を使わなければいい
- 短期的に大きく稼げればそれで問題ない
- 仮に廃業したとしても、リスクゼロでもう一度やり直し、また大きく稼げばいい
この3つです。
みんな、起業というと、とりあえず大きな資本を使いたがります。しかし、初心者がそれをするのは極めてリスキーです。なので、資金が要らない方法で起業するというのがおすすめです。僕は起業するとき、ネットのサーバー代くらいしかお金をかけていません。店舗など持ちたくありませんでしたし、在庫等も持ちたくありませんでした。
また、10年も生きながらえなくても、例えば10年で2〜4億くらい稼いで、税金対策もしっかりすれば、サラリーマンが普通、一生をかけて稼げる金額がわずか10年程度で作れてしまうわけですから、お得です。そのビジネスが駄目になったとしても、次をやればいいわけですから。
そして、起業に資金を使わなければ、仮に稼げなくなってしまって、廃業にしたとしても、手元のお金が減ることはありません。人件費や事務所の家賃などに経費を使っていると、リスクが上がるわけですが、それすらしなくても、きちんと起業は成立します。
起業家とは何か?の「まとめ」
起業家とは結局のところ、事業を起こす人のことでした。
特に0→1を作る場合を起業家と表現することが多く、これからあなたが起業する場合は起業家と名乗ることになるでしょう。
起業は難しいとか、カリスマ社長を見ていると、ハードルが高そうに見えるかもしれません。
しかし、最初はリスクなく起業することで、起業は上手くいきやすいですし、ハードルの低いものにすることが可能です。
ぜひ機会があれば、成功者から直接、「起業を学ぶ」ということをしてみてください。